「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」のブドウ畑は街道ひとつ挟んで「シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」と並んでいます。
一般的には「ピション男爵」「ラランド伯爵夫人」と呼び分けられ、それぞれに「男性的」「女性的」なワインと評されています。
男性的とはいえ、力強さの中にエレガントさがあふれるシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンは、いわゆる「貴族的な」ワインでもあります。
格付けでは二級扱いですが、味の複雑さと力強い酒質から「二級なのに一級品」である「スーパーセカンド」のひとつとしてあげられています。
「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」は古くから存在するワインですが、ずっと高いクオリティを維持していたのではなく、低迷期に陥っていた時期があります。
特に1960年代~1970年代は恐ろしくワインの出来が悪くなりましたが、1987年にワインづくりの助っ人が登場したことにより状況が変わりました。
摘み取りを遅くしたり、選別を厳しくしたり、セカンド・ワインを導入するなどの見直しを図ってからはみるみると盛り返し、今ではスーパーセカンドに名を連ねるまでとなったのです。
設備投資に資金を惜しまず、ピカピカ最新鋭の醸造設備で造られたワインは、濃い紫色の豪華で派手なワインとしてワイン愛好家から親しまれています。
最新設備で造っていても、その味は「純粋なポイヤックスタイル」と呼ばれているのも不思議な話です。
今後も成長が期待されているワインであることは間違いありません。
合う料理は牛ロースの赤ワイン煮やゆで卵のミートローフなどクラシックな料理に合います。
購入の際は低迷期である1960年~1970年代のヴィンテージにご注意ください。