テロワールの型にはまることなく、凝縮感があり筋肉質なワインを生産してきましたが、1997年以降からはよりエレガントなスタイルへと変化してきました。 現在ではブルゴーニュを代表する造り手の一人として名を馳せるフィリップ氏ですが、彼がドメーヌを継いだのはなんと若干20歳の時でした。
フィリップ ・シャルロパンは、あの『ピノ・ノワールの神様』と呼ばれるアンリ・ジャイエから指導を受けていた弟子の一人で、ジャイエから愛弟子として可愛がられていたと言われています。当初、ワイン造りの途中でアンリ・ジャイエのアドバイスを常に聞きながらワインを造っていましたが、いつしかアドバイスを聞かずに出来上がったワインをただ持っていくようになったそうです。
シャルロパンのモットーはあくまでも自然なワイン造りです。 ブドウの栽培には除草剤と化学肥料は使わずに、殺虫剤の代りにフェロモンカプセルを用いるリュット・レゾネ(減農薬農法)を取り入れました。葡萄の樹齢は極めて高く、エシェゾーにいたっては樹齢70年にも及びます。
完熟ブドウの収穫はもちろんのこと、厳しく選別した果実を除梗した後、一週間に及ぶ低温のマセラシオン発酵を行います。培養酵母の使用と補酸は決して行わずに、その後は瓶詰め直前まで澱引きせず 樽熟成されますが、新樽比率が高いこともシャルロパンの特徴として挙げられます。
若いうちは樽香が強く感じられますが熟成を経てワインのアロマと溶け込み、洗練された奥行きのある味わいに変化していきます。果実味とアロマに溢れ、精妙なフィネスを備えた 確固たるシャルロパンのスタイルはブルゴーニュの最高峰の一つといえるでしょう。
フィリップ・シャルロパン・パリゾを造っているフィリップ・シャルロパンはこのワインを飲んだアンリ・ジャイエに「まさに私が言いたかったように造っているな」と言わせてしまうほどの実力を身につけるようになりました。そのため、ワイン造りにおいては師であるジャイエの思想が強く見られます。
一級シャトーからプティ・シャトーまで多くのシャトーで 高得点が続出しました。 造られたワインはアルコールが高く、力強く、パワフルで熟成向きのスタイルです。ボルドー全域で出来が良く、左岸のサン・テステフ、ポイヤックなどの地域は ワインアドヴォケイト誌で過去最高得点の99点を獲得しています。
さらにパーカー・ポイントにて100点満点を獲得したシャトーが18シャトー、90点以上を獲得したシャトー数が280と群を抜いて過去最高数を記録しました。