貴腐ブドウから造られた極上の甘口ワイン「貴腐ワイン」
果実の糖分やエキスが凝縮されたその味わいは、ブドウについた「貴腐菌」が皮に穴をあけ、ブドウの水分を蒸発させて果実の糖分やエキスが凝縮されるからと言われています。
ボルドー地区ソーテルヌで造られている貴腐ワイン「ソーテルヌ」は、ドイツの「トロッケンレーベンアウスレーゼ」ハンガリーの「トカイ」と並んで「世界三大貴腐ワイン」の一つとされています。その中で「シャトー・ディケム」は1855年のパリ万国博覧会での格付けでグラン・プルミエ・クリュ(特別一級)に選ばれるほどの特別なソーテルヌです。
「DRCモンラッシェ」が辛口ワインの最高峰ならば「シャトー・ディケム」は甘口ワインの最高峰と言われています。
その味わいは「身も心も溶かす」と表現されるほどで、はちみつのようなブーケを放ち、黄金の色合いはまさに「甘露」と呼ぶにふさわしいものです。
1855年の格付けで「これを凌ぐワインはない」と言われてグラン・プルミエ・クリュ(特別一級)に選ばれた「シャトー・ディケム」はその製造方法も厳正に管理されています。
シャトー・ディケムの畑は100ヘクタールありますが、そこから造られるワインは63,000本~70,000本と広さのわりには本数は少なく、希少なワインです。
ブドウは粒単位で手作業にて選別を行い、出来上がったワインはオークの新樽で3年間の熟成を経た後に瓶詰がされます。その際、全収穫量の20%が蒸発して失われてしまいます。
ヴィンテージの悪い年には、ディケムとしての瓶詰をしない、という話も有名です。
「一本の樹からはたったグラス一杯のワインしか造らない」と生産者が誇らしげに語るほどシャトー・ディケムの生産量は少ないのです。
手間ヒマかけて造られた極上の甘露であるシャトー・ディケム。
デザートワインとして楽しむのもいいですが、基本的にどんな料理にも合うのも大きな特徴です。
ロックフォール・チーズのはちみつがけなど一緒に楽しむのもいいですね。