「シャトー・ラトゥール」と言えば、著名なワイン評論家に「非の打ち所がない古典的なもの」と評されるほど、世のワイン好きにとって特別な存在であり、どんなに凡庸なヴィンテージででも、ワインの出来栄えはいつでも一級品であることが知られています。
「シャトー・ラトゥール」のラベルに描かれている塔は、15世紀に要塞の跡地に建てられたもので、名前を「サン・ラベルの塔」と言います。
現役の頃は海賊の襲撃から守るものでしたが、壊されたりするたびに再建を繰り返し、現在残る塔は当時のイカツイ要塞とは違い、丸みを帯びたデザインに変わりました。
塔の形は違えども低いブドウの樹から見える塔は、いまでも守護神のように畑を見守っています。
要塞の存在からも分かるように「シャトー・ラトゥール」は歴史あるシャトーとして知られ、1855年パリの万国博覧会の格付けで第一級ワインに選ばれました。
その味わいは一口ふくんだだけで分かる豊かさと、フルボディワインの力強さ、ミネラル分が束になったようなブーケと、素晴らしい味わいが駆け抜けると言われています。
ただし、熟成に非常に長い時間を要することでも知られ、20年~30年は瓶熟成をさせないと、賛美されているような豊潤さは味わえないそうです。
あえて若い「シャトー・ラトゥール」を飲む事になるのなら、数時間前に抜栓をし、十分にデキャンタージュして飲む事を勧められています。
そんなシャトー・ラトゥールの平均価格はとても高く、セカンドワインの「レ・フォール・ド・ラトゥール」ならばまだお手頃の為、ラトゥールに手が出せなくてもセカンドワインなら、という人も多いようです。