「シャトー・モンローズ」は、サン・テステフで最も信頼できる格付けシャトーと言われています。ただしそう言われているのは1989年以降の話で、それ以前はいろいろと迷走していた時期があったようです。
1970年代の頃、濃密でタンニンの強いワインは消費者に好まれないだろうと、当時のオーナーが決断し、シャトー・モンローズのスタイルを「軽い味わい」へと方向転換しました。
それが従来のモンローズファンからの反発を買い、1986年以降、あえて時代を逆行させ、筋肉質で力強いワインに戻し始めました。
その後は「サン・テステフのラトゥール」と呼ばれるほど、濃厚で長熟タイプのパワフルなワインを造り続け現在に至っています。
「シャトー・モンローズ」の名前は「小山=モン」「ローズ=バラ」に由来します。
シャトー周辺が荒野だったその昔、バラの季節に花が開花すると、一面がパアっとバラ色に染まる事からこの名前が付けられたそうです。
ちょっとロマンティックな名前ですね。
その味わいは、バラの「優美さ」よりも、バラの「強さ」が前面に出ているようなイメージで、力強さと複雑さと繊細さを備え、成熟したタンニンがその豊かさを表しています。
熟成に時間がかかるのも特徴の一つで「最も晩熟で長寿なワイン」とも言われています。
「モンローズ」スタイルのワインを造り出す為に、シャトーでは努力を惜しまず、2006年には剪定したブドウをそのまま肥料にする「グリーンハーベスト」を導入し、同時に除草剤と殺虫剤の使用も廃止しました。
今後、どのようなオーガニックワインへと進化するのかファンも楽しみにしています。
「バラ色の小山」というロマンティックな名前にちなんで、大切な人への贈り物にもふさわしい逸品ですね。