小塔のある印象的なパルメのシャトーは、小さなイッサンの村の真ん中にあり、ボルドーのワイン街道のすぐ脇に建っています。
丁寧に手積みされたブドウは、到着後すぐに区画・品種毎に分類されます。ブドウはそれぞれ分析されてから除梗されて破砕します。シャ トーの42の発酵槽により、ブドウはそれぞれの区画毎に醸造されます。この方法によって、シャトー・パルメは 毎年のようにそれぞれの区画の品質と可能性についてどうすべきかを考慮していきます。
ブドウは8~10日間、発酵槽で発酵します。発酵を促進してフェノール化合物をいっそう抽出させるために1日数回ポンピング・ オーバーを行い、ワインは約20日間果皮と接触したままでおかれます。このマセレーションの期間中、温度は慎重に制御され、発酵槽から移す適切な時期を判 断するためにワインは頻繁に検査されるのです。
フリーランのワインは澱と分けられ、澱はワインプレスにかけられてプレスワインが造られます。ワインを安定化させ、酸度を低くするためにフリーランのワイ ンとプレスワインは両方ともマロラクティック発酵を経ます。 マロラクティック発酵が終わると、澱引きが行われ、ワインはオーク樽に移動します。18~21ヵ月の熟成を経て、濾過せずに瓶詰めされます。
パルメのワインのスタイルは、センセーショナルな香りの華やかさとブーケが特徴です。 マルゴーアペラシオンのなかで一級シャトーのシャトー・マルゴーに匹敵するのがこのパルメ。
パルメ独 特の香り高いブーケ、複雑妖艶なアロマ、そして滑らかなテクスチュアは飲む者を魅了して離しません。 ワイン造りの特徴からはメルロの比率が高いことが挙げられます。これがマルゴーらしい香り高さや華やかさのほかに、ポムロールのような豊かさや肉付きのよさを与えているのです。
ボルドー商工会議所による、1855年のメドック地区格付けで3級に序列されたシャトー・パルメはマルゴーの第3級格付けのシャトーですが、長年のあいだ安定した品質のワインを造り続けており、その実力・人気から「スーパー・ セカンド」の呼び名を与えられた最初のワインです。
パルメのワインは「スーパーセカンド」の呼び名にふさわしく、どの一級シャトーにも劣らない深みを持ってます。1961年、1966年、1967年、1970年、1975年、1983年、 1989年のヴィンテージでは、それらの多くを凌ぐこともある。
パルメは公式には第三級シャトーだが、ワインは一級と二級シャトーの間の価格で 売られており、それは、ボルドーの商人や外国の輸入業者、世界中の消費者がこのワインに高い敬意を払っている証拠である。
現在の最たるワイン品質基準となっている、『ロバート・パーカーJr氏』による独自の格付けでは、2003年時点からシャトー・パルメは1級格付けに評価されています。