「コシュ・デュリ」と言えば「ブルゴーニュ屈指の造り手」として知られています。
ムルソーでは「コント・ラフォン」と並び「白ワインの二大巨匠」とも呼ばれています。
コシュ・デュリのドメーヌ設立は1920年。
はじめはたった6つの畑からのスタートでした。
2代目の頃に畑を買い足し、1974年にジャン・フランソワ・コシュ・デュリ氏が3代目の当主となった際、ドメーヌの名前を「コシュ・デュリ」と名付けました。
3代目となったジャン・フランソワ氏は、設備を買い替えるのみとし、その他の技術は創立時から続く最低18カ月の長期熟成や、無ろ過にこだわった職人気質の造りです。
こうして出来上がったワインは、著名な辛口ワイン評論家も100点をつけてしまうほどの出来栄えで「彼のシャルドネを飲んだものはその輝きをもった味わいを決して忘れることはない」とまで言わしめています。
その影響か、コシュ・デュリの白ワインは投機商品として取扱される事が多く、市場に出回ればあっという間に姿を消してしまう幻のワインでもあるのです。
コシュ・デュリのムルソーは出荷する国ごとに畑が違います。
日本で正規に入荷するムルソーの畑は斜面上部のナルヴォーを中心としたものです。
ナルヴォーは斜面上部ゆえの美しい酸味を持ち、泥質砂岩の表土を持つ特殊な土壌は、香りふくよかな酒質というキャラクターを併せ持ちます。
実際の味わいは「やわらかな美味しさ」
舌触りはトロリとし、のど越しは上質なはちみつ、余韻もまたエレガントで、飲んだひとを間違いなく優しい気持ちへと導くワインでしょう。
日本では懐石料理などと合わせた試飲会などがたびたび催されているようです。
エレガントで清楚な白ワインを上品な和食と合わせてみるのもオツですね。