もともと「ラ・ターシュ」は「ロマネ・コンティ」よりも小さな畑でしたが、DRC社が隣の畑を買い取り、ロマネ・コンティでも広い畑で生産されるようになりました。
グラン・クリュ(特級)のピノ・ノワール種のブドウを使うラ・ターシュの畑は、DRC社のモノポール(単独所有)なので「DRCロマネ・コンティ」同様、「DRCラ・ターシュ」という銘柄は一つの畑で作られた無二の存在であるのです。
ブルゴーニュワインには他にもモノポールで作られたワインがいくつか存在し、ラベルには堂々と「モノポール」である事が示されている場合が多いとの事です。
あまりにも高嶺の花すぎて、味そのものの評価が分かれる「ロマネ・コンティ」と比べ「ラ・ターシュ」は多くの人がその味を賛辞しています。
その理由の一つとして「悪いヴィンテージでも味が安定している」という点にあります。
「ラ・ターシュ」の味わいはピノ・ノワール種の特徴でもある、強烈なアロマと、凝縮された力強さがファンの心を射止めています。
悪いヴィンテージの年でもその味わいが魅力的のまま、という安定さが高評価をうけているようです。
「ラ・ターシュ」の名前は「労役」や「請負」を意味し「労務請負人」が耕作した事から由来していると言われています。
ラ・ターシュの畑は縦長で高低差があり、上の畑の部分では「重厚な味わい」のブドウが生み出され、下の部分では「繊細な味わい」のブドウが生み出されているそうです。
どのブドウの樹も「高樹齢」で「低収量」であり、収穫時は「完熟後の摘み取り」の手法でワインづくりが行われています。
DRC社のワイン作りは上記の手法が基本なのですが、それでも安定感を誇るという事はきっと「労務請負人の畑」には何かワインが美味しくなる秘密があるのでしょう。
ちなみにラ・ターシュに限らずですが、DRC社のワインは自然派ゆえに澱が多く、ボトルからよりもきちんとデキャンタして澱分けしてから飲むのが一般的とされています。