ワイン好きの中で「アンリ・ジャイエ」の名前を知らない人はいません。
ブルゴーニュと言えば世界でもトップクラスのワインの産地ですが、数々の名シャトーが集うブルゴーニュの中でも「ブルゴーニュの神様」と呼ばれる伝説の醸造家がアンリ・ジャイエ氏なのです。
収穫量を制限し手摘みでブドウの収穫を行い、選果台を使って丁寧にブドウを選果し、低温浸漬を行う事によって上質のブドウエキスを抽出したのち、自然酵母で発酵する。
これは現在当たり前に行われている「ブルゴーニュスタイルの醸造法」ですが、長年かけてこの手法をつくり上げたのがアンリ・ジャイエその人です。
アンリ・ジャイエ氏は「ブルゴーニュの良さを引き出すために」誰もやっていない方法でコツコツと醸造法を編み出しました。
そのワインがデビューしたとたん、世界中に旋風が吹き荒れ、アンリ・ジャイエ氏の醸造法は瞬く間に「ブルゴーニュスタイル」として確立されたのです。
そんなアンリ・ジャイエ氏も1995年には引退、2006年に世界中のワインファンに惜しまれながら84歳でその生涯を閉じました。
「VR(ヴォーヌ・ロマネ)1er クロ・パラントゥ アンリ・ジャイエ)」はアンリ・ジャイエ氏が引退した際、最後に仕込んだワインとされ、2001年が最後のヴィンテージとなっています。
生前から非常に高価な値段が付いていましたが、アンリ・ジャイエ氏の氏が報じられたとたん、値段は倍に跳ね上がり、アッと言う間に市場から姿を消しました。
「飲むワイン」ではなく「メモリアルワイン」となってしまった「VR(ヴォーヌ・ロマネ)1er クロ・パラントゥ アンリ・ジャイエ)」を開封するにはとてつもない勇気が必要となりますね。
ちなみにアンリ・ジャイエ氏の日ごろの口癖は「ワインは好きなように飲んでくれ」だったそうです。